古布 木綿 江戸浅舞絞り Cotton Edo Asamai Shibori Japanese Antique Textile
2014年 12月 13日
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この未使用でオリジナルの布の風合いは、画像でお伝えできたでしょうか。
上級のデザインを駆使した素晴らしい木綿着物は、 西馬音内の地で盆踊りの間 日に何回も洗浄され使用されます。
「晴れの日」最も活気ある場面で大勢の人たちに見ていただくことが最も重要だからです。
彼等にとってアイテムの劣化を考えている余裕など全くありませんから
このようなオリジナルの浅舞絞りの江戸期木綿布の風合いは全く残りません。
そのため
例えば、江戸・明治・大正期 洗浄後保存の為 糊加工を施された江戸期浅舞絞り木綿着物に
現代人が接した時 経験と知識を持たない現代人たちがそのアイテムを江戸期木綿着物と判断することは全く不可能でしょう。
現代の人々が誤った時代判別をした時、彼等は、永久に誤りから解放されることはないのです。
画像で美しさを感じていただけるのは、この上質な藍色でしょう。
藍に染められたアイテムは、、漬す藍染料の生産地が異なれば、自然藍であることを確実な条件としても
その藍色染料は仕上がったアイテムに明らかな「まつ、竹、うめ」のクラス分けがあります。
甕覗き程度にひたした時にそのことは、はっきりするでしょう。それは、同じ木綿布でも薄い灰色のようにくすんだ藍色と、美しく澄み切った薄青に 大きく分かれるでしょう。それは、何度も漬すと徐々にその違いは、判別できなくなります。
逆に濃い藍染アイテムが何度も洗浄されていくと徐々に美しい花田色から薄藍色へと着用者の仕事に応じてさまざまに変化する様子を発見することができます。それは、何回も洗浄を繰り返しアイテムを着用する人たちのささやかな特権です。本人さんは、キズカヌとも周りの人たちには 心地よく感じられることでしょう。
東北地方の野良着にも藍染されたアイテムは刺し子などで大変多く残されていますが、
使用された藍染料は個人単位で染料を選んだのではなく、地域単位もしくは、時代単位で藍染料を選んだように思われます。
遺された多くのアイテムが地域の藍染、地域の色を静かに語ってくれます。
当時の高位にいた人々の衣装は、 それなりの「目」で判別された 美しき「藍」が当たり前のように使用されています。
現代の我々には、繊細に藍染色の違いを感じるシーンなど 気付く間もないくらい僅かな時間です。
わずかな「色」の違いを知ることができる体験とて深く記憶に残ることはまれでしょう。
今回の浅舞絞りは白影、ほか藍染絞りで染め分けられており 江戸期 地方の藍色の変化、美しさを同一布で知るための良きアイテムです。
木綿布も手紡ぎされていて打ち込みの良い仕上がりとなっています。
当時、厳選した素材を都から遠く東北地方でそろえられる背景がかの地にはありました。
追伸、日本の木綿布は、画像で表現できない良き風合いが有ります。
まさしくフォーきぃー(Folky)な手触りです。そこには、「まつ、竹、うめ」が有りますが、出来上がりの形を考慮しての明確な理解には、かなりのフィールドワークが必要です。
そして、熟達者の「こえ」が理解への近道です
幸いなことに現代では、古布の主たる用途は皆様異なりますので ご自身の「お好みのアイテム」が皆さまにとっての良き品でしょう。
ではまた