古布 木綿 絞り 藍染 Japanese Antique Textile Shibori
2015年 06月 09日
ここから内側です。
江戸期に京都で染められた絞り浴衣です。 上質で目の詰まった織り具合の木綿は、厚手なく、薄手でなく ほど良い感触です。 少々ですが 「止む事無き」感が有ります。
- - - - - - - - ^ - - - - - - - ^ - - - - - - -
撚りの比較的緩い 柔らかい感触の木綿が江戸期のアイテムと言うイメージが定着しているようですが、どの時代にもどこでも「松 竹 梅」はありまして、木綿布にも花洛アイテムとカントリーサイドアイテムはあるようです。
江戸期のイメージが定着しているアイテムには上質のFolky 「感覚」が見られます。
それは、たいへん味わい深く趣が有ります。
筒描きなどに見られる上質の動きを持った図柄で表現された染画アイテムは、カントリーサイドではもとより数少なく貴重でした。そして図柄をめでるだけでなく 人が接触する最も重要な要素が、布の感触自体に求められたわけです。 注文主の地位に応じて江戸期は素材が決められたことからも 花洛および上方、 お江戸にては、制限も多分にゆるむケースもあったと思いますが、お達しを厳守する土地では絹、上布などオリジナルで庶民が用いることなど到底考えられず、そこで購入できた木綿、太麻等が全てでした。
平民の地位において絹、上布の類は、特に婚礼など御披露目時には、使用せぬ事をきつく守りとおしたと思われます。
結果 庶民は、撚りの緩い柔らかな木綿に最高の風合いを求めました。そしてこの布に心地良き動きのある絵画が染められたこともうなずけます。 そんな中 花洛に近い佐治で、絹糸を少し混ぜた「丹波布」の誕生は、上方の庶民が心地よき「縞」を求めた結果でしょう。
- - - - - - ^- - - - - ^ - - - - -
話を今回の絞り布に戻しますが。
この江戸期の木綿布は、優しく強い撚り糸で木綿布を織りだしたアイテムです。 あまり残らなかっ
たこの風合いが上手木綿布ともいえる 上質手紬江戸木綿布と存じます。
この藍浸け染アイテムは、この形態から地方好みに仕上げられた江戸期アイテムと思われます。
折枝梅に雲の流れ図柄は、地方の花洛への憧れでしょうか、みやこ製作の地方使用アイテムです。
話は、また木綿の事ですが、
先ほど述べた 撚りの緩い木綿は、筒描き・中型型染アイテムでは、あまり残りませんでしたが、
絹交じり上級アイテムも含めて紋付無地物 縞もの布団皮で結構残されていました。意識して探せば
今でも発見は、あると思います。
士農工商 人口比のバランスを 大事に遺した心持を考えても ランダムに手仕事で作り出されたアイテムのほうが多いようにおもいますが、
「良きものを」と気持ちを込めて 限られた綿を丁寧に紡いで 心地よき糸と成し
手間暇かけて織挙げた布は、手に優しく 絹物などを知らぬ人々の「癒し」のアイテムでした。
思いがけぬアイテムは、今もそこかしこに存在しているかもしれません。
今回は、話が飛び飛びで申し訳ありません 一度 話を整理してご紹介しなければと思います。
ではまた