古布 木綿 秋田 紙縒り 浜着 Japanese Antique Textile Koyori-paper Seaside court
2018年 08月 22日
採集時に、秋田アイテムの特性は、すぐに判断できましたが、変な思い込みから緯糸に紙縒り糸が使用されていることが無いと思いこんでいました。見た目がよく似た布でデンチ型経緯木綿糸の庄内アイテムを多く見ていたからです。
精査すると秋田地域の 紙縒り 浜着は、どこから見ても手がかかっています。
緯糸の藍で染められた紙縒り糸・染めてない紙縒り糸と 藍で染められた木綿糸が経糸です。
紙縒り糸は、藍で染められた糸もそうでない糸もしっかりと強くよられています。
背中当て・裾当てに縹色江戸木綿が使われています。それは、江戸の風合いを持った手触りの良いものです。他にも江戸の雰囲気が現れた仕様が随所に見られます。手触りもガッシリして重さは1600gとかなりのものです。当時の女性が着用するには、ムリがあるアイテムです。
秋田地域では、突然生み出されたかのようなただ一点ものの優品の存在が有ります。
周辺で同類の採集がこれ以降まったくありません。
隣県の庄内アイテムをまねたのか、この秋田アイテムのほうが時代的に先を行くアイテムで
これを庄内の人たちがまねたのか、狭いような地域間での伝承の交流はかなりあったようです。
いずれにしても遺された秋田アイテムの数は、何かの背景があって 同じような裂き織、刺し子にしろ、紙縒りアイテムにしろ 庄内アイテムの百分の一にも満たないようです。
遺されたアイテムの数がそれを語っています。
ではまた